ATR は「Average True Range」の略でこれを訳すると「真の値幅の平均値」となります。
ATRは価格変動の大きさ(ボラティリティ)を知ることができるテクニカル指標です。
そのときのボラティリティの傾向がわかれば、そのときの相場かトレンド相場かを知ることができたり、
「これくらい大きく相場が動くならポジションのサイズを半分にしよう」などポジションサイズの調整の目安として使うことができます。
今回はこのATRについて紹介します。
「真の値幅」( True Range )とは
通常、値幅はその日の高値と安値の幅、距離のことを言いますが、真の値幅とは「窓」が発生した場合も含めた値幅のことです。
「窓」は fxでは週明けによく発生します。
このように9月16日(月)になり、市場が開いたときに価格が108.05近辺から107.5近辺へと価格の間隔が開くこの間が窓と呼ばれます。
この窓を考慮した真の値幅は以下で計算できます。
値幅 = 高値 - 安値
真の値幅 = 真の高値 - 真の安値
窓 = 当日の始値 - 前日の終値
真の高値や真の安値は、
真の高値 | 当日の高値か、前日の終値のどちらか高い方 |
真の安値 | 当日の安値か、前日の終値のどちらか安い方 |
になります。
ATRの引き方
日々の真の値幅を求めます。
ATRは「真の値幅の平均値」ですので日々の真の値幅から一定期間の平均値を移動平均線のように求めて線を引きます。
以下は14日間の平均値を日々求めてこれを引いています。
ATRの使い方
相場がトレンドであるかどうかを判断する
上ではATRが上昇しているとき、相場は下降トレンドになっています。
またATRが下降し始めて少し経つと下降トレンドが終わっているかと思います。
また、上昇トレンドでもATRが上昇し続けていればトレンドの継続、
ATRが下降傾向にあるとトレンドの終了を示唆します。
ですので
ATRの上昇→トレンドの継続
ATRが下降へと転換→トレンドの終了
を示唆していると言えます。
ATRを見てどれくらい売り買いするか・ポジションサイズを調整
ATRの値の大きさに注目し、ポジションサイズ(売買する通貨数)を決めることができます。
たとえばATRが1の場合、1lot(1万通貨)と決めます。
ATRが2になったとき相場が大きく動いていてATR1のときと同じ1lotで売買した場合、
リスクが大きいので半分にする、などのルールをATRから決めることができます。
上だとATRが0.1だと10万通貨、ATRが3倍になった場合は三分の一の3.3lotとルールを決めて
売買するといったやり方になりますね。
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